組織を成功させる良いリーダーにはどんな特徴があるのだろうか?
組織目標の達成において、リーダーの存在は大きなインパクトを持っています。
今回は、リーダーが持つリーダーシップについて、どのような特性を持った人がリーダーとなりやすいのか、また特性に共通点があるのかについて、紹介します。
リーダーシップとは
定義は様々
リーダーシップは取り上げられる学問領域が多岐にわたることから、様々な定義が用いられています。
その中で以下が包括的な定義として組織行動論の中では活用されています。
集団目標の達成に向けてなされる集団の諸活動に影響を与える過程。
具体的には、目標達成に向けてメンバーの方向づけをしたり、奮起するための動機付けを行ったり、メンバー間の協力関係を促進したりすることが含まれます。
よって、リーダーシップは管理職や経営幹部以外からも発揮される可能性があるものともいえます。
リーダーシップ研究の歴史
リーダーシップの研究は、主に以下の点を中心に行われてきました。
- 特性論:優秀なリーダーに共通する特徴を探る
- 行動論:優秀なリーダーに共通する行動を探る
- 状況論:状況に応じて効果的なリーダー像を探る
- 変革論:メンバーとの交流から組織を変革するリーダー像を探る
この中で、特性論は優秀なリーダーの特性を探索しており、その共通の性質を明らかにしようとしています。
優秀なリーダーの特性
特性論では、リーダーが保有する個人特性=知能やパーソナリティに共通点を求めていました。
そして、研究当初は以下の特徴が抽出されました。
- 知能:知的に考える力
- 素養:受けた教育程度
- 責任感:自分事として思考
- 参加性:積極的姿勢
- 地位:社会的高地位
しかし、その後の研究では相矛盾する結果が多く発見され、一度は「一貫した効果を持つ特性はない」と結論付けられました。
とはいえ、今でも特性に関する論文数は多く、メインの研究テーマの一つとなっています。
ビックファイブ誕生との関係
パーソナリティーの五要素モデルとして、ビックファイブと呼ばれる分類があります。
近年、この要素が基本的に全てのパーソナリティーの基礎になっていることが裏付けられてきました。
つまり、人間の特性(性格)を以下5つの要素に集約できるようになったのです。
- 外向性(社交的か等)
- 人当たりの良さ(協力的か等)
- 誠実さ(責任感があるか等)
- 安定した感情(動じないか等)
- 経験に開放的(好奇心があるか等)
そして、この要素と職務成績においての関係が明らかになって来ており、リーダーシップについての関連性も確認されています。
具体的には、「外向性」と「経験への開放性」はリーダーシップの効果とリーダーシップの発生条件との間に正の相関が確認されています。
とくに外向性について、強い関係性が認められています。
結論
特性として一貫したものはないと考えられていた。
ビックファイブの整理により外向性との関係性が発見。
リーダーシップの出現を期待する場合、外向性の高い人材が必要。