仕事を上手く進めるために、聞き上手になりたい
「聞き上手」になることは、良い仕事をするための一つの手段として有効です。
聞き上手になると、
- 相手は自分のことを信頼してくれて協力して物事を進めることができる
- いろいろ貴重な情報を共有してくれる
という良いことがあり、仕事を上手く進めることができます。
「聞き上手」といってイメージするのが、「プロのカウンセラー」です。
今回は、「プロのカウンセラーの聞く技術」という本から、「聞き上手」になるために重要だと思ったポイントを紹介します。
聞き上手は話さない
まず聞き上手になる大原則として「自分は話さない」というものがあります。
そもそも人は「聞く」より「話す」ほうが好きなようです。
なので、「よし、しっかり聞くぞ」と思っても、つい話したくなるのが自然です。
よって、まずは「意識的に話さない」ことからスタートする必要があります。
聴かれたことしか話さない
とはいえ、終始無口ではコミュニケーションは成立しません。
相手がリアクションを求めることもあると思います。
その時のコツは「簡単に答える」ことと「相手のことを聞き返す」です。
あまり語りすぎると「聞きモード」から「語りモード」になってしまって聞き上手になれません。
そもそも、高い確率で相手は「相手に関係のあること」しか聞いてこないようです。もっと自分のことを聴いてほしいという気持ちの一つの表現方法です。
なので簡単に答え、相手について聞き返すことが有効です。
本書で出てくる主婦の会話の例で、
「お子さん、今年進学でしたね」というのがありました。
この時、相手は自分の子供の進学について語りたい確率が高いです。
なので、自分の子供の話はサッと答え、相手の子供の状況を聞くのが、聞き上手な人の対応です。
「聴く」と「尋ねる」の違いを理解する
本書では「Listen」して「Ask」しないことを推奨しています。
Askするのは、相手のことを論理的に理解し、自分として納得したいたいために行うようです。
これは、相手ではなく自分が軸になってしまっている状態です。
聞き上手は、相手から聞き出そうとしてはいけないのです。
素直に聞く
では「Listen」とは具体的にどうするのでしょうか。
ひとつは何を言われても「そうだね」と相槌を打つことがあります。
相手の気持ちを肯定するように、自分の気持ちは横において、相槌を打つのです。
相手の発言に「でも」「だけど」と言い出したら聞けていない状態といえます。
反論したいときもまずは素直に聞いてみることが重要です。
すると不思議なことに相手もマイルドになってくるようです。(怒りが収まる、恐れがなくなる、悲しみが消える等々)
本書には例として、子供が「先生がアホだ」と言ってくるケースが書かれています。
この時、子供は気持ちを聴いてほしい状態で、意見を聴きたいわけではないと考えられます。
この時はオープンに「そうなんだね」と聴いてあげると、相手に安心感を与えることができます。
「なんでそう思うんだ」とか「お前はどう思う」など聞き返すのは聞き上手ではないようです。
愚痴は止めずに聞いてあげる
人の話の一つとして「愚痴」があります。
「愚痴なんて非生産的で過去思考で無意味だ!」と思ってしまう気持ちもわかります。
ただ、愚痴には心を和らげる効果があるようで、また聞き上手ポジションを築くチャンスでもあります。
ただし、愚痴の力は偉大で、自分の中にため込むと自分が崩壊してしまいます。
よって、愚痴は聞くけど自分の中にため込まない、「避雷針」になる必要があります。
相手の話に興味を持つ
「なんでコイツはこんな身勝手なこと言うんだ!」と感じるときがあるかもしれません。
その他相手に対してネガティブな気持ちが浮かんだ時の対処法が「相手の話に興味を持つ」ということです。
その意味は、話のコンテンツに興味を持つのではなく、「なぜこんなこと言うんだろうか」という相手の感情・背景を考えることで、中立的な気持ちを取り戻すことができるようです。
物に気を遣う
話をする場所にあるものは、コミュニケーションの質に影響があるようです。
- 火を囲んで話すと深い話ができる。
- 窓がある部屋だと、よりオープンに話せる。
- 余分な椅子を置いておくと息が詰まらない。 等々
お気に入りのものや観葉植物などによる場の雰囲気が、会話に影響を与えます。
その会話の目的に応じた場の設計も、検討が必要なポイントです。
沈黙が重要
会話をしていると、沈黙に気まずさを感じることがあります。
しかし、沈黙は重苦しいものではなく、むしろ重要なものなようです。
相手(話し手)の心の中では、沈黙中も心の会話が続いています。
相手のペースに合わせ、相手の気持ちを整理して話してもらうためにも、沈黙の重要性について理解が必要です。
特に話題が重いものであるほど、沈黙は重要な意味を持ってきます。
まとめ
自分のことは話さないで、相手のことを全て一旦受け入れることが、聞き上手への道。
【参考書籍】