メンバー間のミスコミュニケーションを改善するにはどうしたいいんだろう?
チームや組織で円滑に業務を進めるには、個人間のコミュニケーションが必須です。
そのコミュニケーションで、送り手と受け手が異なった理解をし合うと、トラブルの元になり、かつ組織のアウトプットを下げることになります。
今回は、「なぜミスコミュニケーションが起こるのか」という要因を理解し、どのような観点で改善の道を探すことができるか、考えていきます。
そもそもコミュニケーションは不完全
コミュニケーションとは、情報の送り手が伝えたいことがあり、受け手に対して主に言語を用いて伝達を試みることです。
そして送り手が意図した内容が、受け手に適切に伝わらないとミスコミュニケーションとなります。
そもそもコミュニケーションは、以下2つの理由から送り手の想いを100%正確に伝えることはできません。
- 送り手が伝える際に、情報の取捨選択が行われている
- 言葉は現象を抽象化するものであり、どうしても推論の余地が生じる
伝達の際には必ず情報の取捨選択が行われていて、送り手と受け手が同じ情報レベルにはなりません。
また、言語は物事を抽象的に表すツールであり、全く同じイメージを言語で伝えることは困難です。
よって、どうしても認識には齟齬が出てしまいます。
その前提で、いかに送り手と受け手の認識を近づけるかが挑戦となります。
ミスコミュニケーションの要因
ミスコミュニケーションとして、以下の要因があります。
- 非伝達:送り手が伝えるべきことを伝えない
- 看過・無視:受け手がメッセージを見逃す・無視する
- 欺瞞・誤誘導:送り手が事態を故意に歪めて伝える
- 曲解:受け手が故意に歪めて推論する。
- 誤伝達:送り手が事態を誤って伝える
- 理解不能:受け手が何も推論できない
- 誤解:送り手と受け手の推論が異なる
- 過剰推論:送り手が意図ないことを受け手が勝手に推論
上記理由は、コミュニケーションを「してない」、「してるけど適切でない」、「各人は適切だが両者の認識が一致してない」のパターンに分けることができます。
そもそもコミュニケーションしてない場合
①非伝達、②看過・無視は送り手・受け手がそもそもコミュニケーションをしていないために、ミスコミュニケーションが発生するケースです。
この場合、なぜコミュニケーションしないのかを確認する必要があります。
理由としては、以下のようなことが考えられます。
透明性の錯覚=illusion of transparency
人間には、「自分の心の中が相手にも理解されている」と過剰に思い込む癖があります。これを「透明性の錯覚」といいます。
受け手が事情を分かってくれていると勝手に思い込み、受け手の視点を十分に配慮したメッセージを送らない事態が発生します。
そのような事態を防ぐために、受け手にとって情報が不足していることをメンバー間で認識することが必要です。
情報過多
人間の情報処理能力には限界があるため、あまりに多くの情報が飛び交うと全てについていくことができず、見逃されたり、無視されてしまったりすることが起こります。
まずは、情報の交通整理がミスコミュニケーションを減らすために必要なケースとなります。
コミュニケーションしてるけど適切じゃない場合
③欺瞞・誤誘導、④曲解、⑤誤伝達は、コミュニケーションは始まっていますが、内容が歪んでしまっているケースです。
主に考えられる理由として以下の3点があります。
相手のために情報にフィルターをかける
受け手にとって好意的な情報となるように、送り手が情報を歪めることがあります。例えば、怖い上司に怒られないように伝えたり、喜びそうなことだけを伝える場合が、フィルターをかける行為にあたります。
この現象は組織に階層があるために発生します。階層が高い人ほど、自分に届く情報にフィルターが掛かっていないか、吟味する必要があります。
感情によって受け方を変える
気分の起伏が激しい人の場合、同じ情報を伝えても、怒ってる時と気分が良い時で受け取り方が違ってしまう可能性があります。
コミュニケーションをする際には、相手の状況にも配慮してタイミングを選ぶこともミスコミュニケーションを防ぐ大事なポイントです。
選択的認知をしている
人間は自分の都合のいい様に物事を解釈したい傾向があります。よって、情報を受け取る際に、無意識に自分の期待を反映させてしまうことで情報が歪む可能性があります。
送り手は相手の期待を理解しながら誤解がない表現を選択し、受け手は自身の思い込みを一度横に置いて話を聞く努力が求められます。
送り手と受け手で認識にズレがある場合
コミュニケーションしようと努力し、送り手も受け手も各々は適切に発信と受信をしても、認識にズレが生じてしまい、ミスコミュニケーションとなるケースがあります。
コミュニケーション目的の違い
たとえば、男女のコミュニケーションの目的の違いから発生するミスコミュニケーションがあります。
女性は関係性を構築するためにコミュニケーションを取るのに対して、男性は自分の優秀さを証明するためにコミュニケーションを取る傾向があることがわかっています。
目的について認識のズレがあると、話を聞いて認めてほしい送り手(女性)と、良い解決策を考え提示する受け手(男性)という状況が生まれます。
この状況では、送り手から見ると「全然話しを聴いてくれない」という状況になってしまいます。
そもそも何のためにコミュニケーションしようとしているのか、目的の認識合わせが必要です。
言葉の定義の違い
言葉は異なる意味で使われることが多々あり、コミュニケーションの際には注意が必要です。
話している中で、話がズレてきたと感じた際には、言葉の定義を再確認することで、コミュニケーションを修正することができます。
結論
コミュニケーションは、そもそも不完全
送り手・受け手が不誠実になってしまう理由を特定する
送り手・受け手がメッセージを歪めさせてしまう文化的背景を理解する
送り手・受け手間の言語定義や背景理解の認識のズレを特定する