集団・組織文化

【心理的安全性】気遣いばかりして気疲れしない職場作り【チーム成功の鍵】

周りに気遣いばかりせずに、もっと気兼ねなく働いて成長していきたい!

職場で働いて、どうしても周りの目が気になる。

周りの人々も周りの目を気にしているように思える。

言いたいことも言えないそんな職場は窮屈に感じますし、生産性の観点からも良くない気がします。

組織行動論からは、このような職場は「心理的安全性」が低い職場といえます。

今日はこの「心理的安全性」について紹介します。

心理的安全性とは

心理的安全性とは、問題の指摘や協力のお願いなど、批判を受けたり、恥ずかしい思いしたりするかもしれない行動を取ることについて、躊躇することなく行える安全な場を作るものです。

誤解として、「メンバーを傷つけることのない職場」と思うかもしれません。しかし心理的安全性は、「成長を求める個人」がいることが前提です。

挑戦するわけではなく、ぬるま湯で生きていくという目的とは異なっています。その場合は、ただの「なれ合い組織」となってしまいます。

心理的安全性の効果

チームの成功に最も重要な要素

グーグルが2012年から実施した「プロジェクト・アリストテレス」では、チーム成功について5つの鍵が抽出されました。

  • 心理的安全性
    不安や恥ずかしさを感じることなくリスクある行動を取ることができるか
  • 信頼性
    お互い仕事を任せ合えるか
  • 構造と明瞭さ
    チーム目標や役割分担、実行計画は明瞭か
  • 仕事の意味
    一人一人が自分自身の役割に意味を見出せるか
  • 仕事のインパクト
    自分の仕事が組織や社会に影響力を持っていると感じられるか。

この5つの中でも、もっとも重要な「成功の基礎」とされたのが「心理的安全性」でした。

所属する人の能力や才能ではなく、相互的関係性こそが最も重要という結論です。

チーム能力の最大限の発揮

具体的に心理的安全性が高まると、メンバーのチャレンジ意識が高まり、コラボレーションが促進されます。結果としてチーム全体の成長に繋がり、チームの成功に寄与すると考えられます。

実際に心理的安全性の向上で、チームの情報共有や学習が促進され、チームのパフォーマンスを向上することが示唆されています。

名プレイヤーであり、かつ常勝監督でもあった落合博満氏が、ドラゴンズ就任時にまず取り組んだことの一つが、以下の風土改革です。

選手が首脳陣の顔色をうかがいながらプレーしているというものだ。これでは、持てる力を発揮しろと言われても無理だろう。オーナーに求められたのは、そうしたチームカラーを一掃し、選手たちがのびのびとプレーできる環境作りだと解釈した私は、どんな理由があってもコーチが選手に手を上げること(選手同士も)を厳禁とし、これを破った場合は理由の如何を問わず契約を解除するとした。常勝チームを作るには、選手が不安なくプレーできる環境を整え、時には選手がベンチの指示で動くのではなく、自分の考えと判断でプレーすることが肝要だと考えていたので、無闇にコーチから教えることも禁じ、選手から求められた場合だけ的確なアドバイスをするように厳命した。

決断=実行/落合博満 より引用

この落合氏の行動は、まさに心理的安全性の重要性を物語っていると思います。

意思決定の質向上

良い意思決定に必要なものとして「建設的な対立」があります。

いかにメンバーが認識している事実がテーブルの上に出され、意見を交わし、合意を形成していくかが意思決定に必要なためです。

建設的な対立を促進するためにも心理的安全性が大事だと想像できます。

議論において自分の発言が他人から不必要にけなされたり、罰せられたりしないと皆の合意=心理的安全性があれば、個人は安心できます。

このような信頼関係があれば、建設的な対話となるような異議を唱えることができるようになります

心理的安全性を高める方法

リーダーの姿勢

弱みを見せる

心理的安全性を高めることは、階層的組織では特に難しいです。

その雰囲気を変えるのは、まずはリーダー(上位層)の行動変容の影響が大きいです。

特に、自分の失敗を共有する、間違いがあった際には素直に謝る等、自分にも間違いを起こす可能性があることを語り示せると、心理的安全性は高まると考えられています。

逆にトップ層が言い訳し出すと、職場においても言い訳が蔓延し、率直な議論ができなくなる危険性があります。

フランクな対応/オープン

話しかけた際のリアクションの印象は、話しかけた方には大きく残ります。

よって、メンバーから話しかけられた際には、フランクに明るく返答することで、職場の安全性は高まると考えられます。

もし、「え!」と思うようなことを言われても、即座に否定はせずに、逆に、伝えてくれたことに感謝する姿勢が重要です。

そのような「実践」を伴いながら、オープンになることの大切さを繰り返し語ることが心理的安全性を高めるには必要になります。

暴言を吐かない

ある研究では、直接暴言を吐かれた人は、その後の処理能力や創造性が著しく低下すると言われています。

考えてみれば、怒鳴られた後は委縮して、怒られたことを何度も考えてしまい、目の前のことに集中できなくなる気がします。

さらに暴言を吐かれたことを目撃した人も能力が低下するようです。

場合にも依りますが、怒鳴り散らすことは問題解決・チームの成功には逆効果である場合が多いと推測できます。

メンバーもできること

承認し合う

普段からお互いに共感を示し、感謝し合うことは職場の安全性を高めます。

行動をした際に起こるフィードバックがポジティブなものであると予測できるようになり、挑戦意欲が向上すると考えられるためです。

評価制度の変更

人事制度の中で、心理的安全性を下げる可能性があるのが、評価制度です。

年次評価やレーティングを気にしてビクビクする、思ったことを言わなくなる、というのはまさに心理的安全性が担保されていない状況といえます。

よって、「メンバーの心理的安全を高める」ことを目的の一つとして、現在評価制度を廃止する会社が出てきています。

マイクロソフトのグローバルパフォーマンスプログラムの責任者は、年次評価の廃止から2年が経った2015年に次のように述べている。――社員からのフィードバックによると、レーティングを廃止したことによって、社員の脅威、心の動揺、社内競争が和らげられている。パフォーマンスマネジメント変革によって、心理的安全が高まったという成果の現れである。 

人事評価はもういらない/松岡啓司 より

結論:弱みをさらけ出す勇気

心理的安全性はチーム成功の最重要ファクター

まずはリーダーが弱みを見せ、オープンな振る舞いをすることから

現場ではお互いを認め合う

もし社内制度で社員に脅威を与えているものがあれば再考する

【主に学習した本】