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【マック復活】原田泳幸流 経営の要諦【現場主義】

日本マクドナルドにおいて、2004年の最終赤字から5年間で売上5000億円超え、経常利益182億円を実現した原田泳幸さんの言葉から、成功する経営のヒントを紹介します。

ビジネスの全ては現場にある

原田さんは「同じスタイルがいつまでも通用するほどグローバル化した経営環境は甘いものではない」と、万能な方法はないことを示しています。

その中でも、成功の可能性を高めるヒントとして、「ビジネスの全ては現場にある」ということを強く主張しています。

  • お客様の反応以上の教材などない
  • 調査をもとに戦略を創らない
  • 業績悪化の要因は常に内部にある

現場には商売の匂いがあり、顧客のニーズを掘り起こし競合に競り勝つためには、お客様に数多く接することが一番の近道と述べています。

また、現場感覚を磨いていると「理屈では説明できない勘」のようなものが働くようになり、更に成功確率を高めます。

逆に、現場から遠く、調査や理詰めで考える戦略は良くないとしています。

その理由は、お客様はこちらの都合や理屈など気にしないということと、調査や理詰めで決めるとスピードが遅くなるためです。

「仮説が間違っていて損する方が、行動が遅れて発生する機会損失より安い」とし、仮説→実行→修正のスピードと精度を高めていくことが重要としています。

また、業績悪化の要因は常に内部にあり、常に改善し続ける姿勢が成功には必要のようです。

勝つためには順序が重要

経営で思いつく打ち手は、ある程度限られています。

勝負所はそのうち手を、どんな順番でどの様な目的で実施するのかストーリーを作ることにあるとしています。

それぞれの打ち手の目的は矛盾するものです。

客単価を上げることと、客数を伸ばすことは相反します。

なので、全部いっぺんにやったらどれも実現できない。

その矛盾を乗り越えるストーリー作りが経営とのことでした。

そもそも矛盾がなければ経営の意思決定は要らないともおっしゃっています。

マクドナルドで言えば、まず基本的な品質を高めて、美味しくなったマクドナルドを再認識してもらいために客単価を下げて客数を伸ばし、お客が定着したところで高単価な新商品を投入するのようなストーリです。

人を成長させるのは挑戦

「私は失敗しない社員を評価しない。一緒に仕事をしたいとは思わない。挑戦には失敗がつきものだ。失敗しないということは、挑戦していないことを意味している」

バトンタッチ/原田泳幸

人が成長するのはやったことがない難しいことに、とことん挑戦し失敗成功を繰り返すことにあるとしています。

よって、「失敗していない人」に対して強く変化を求めていたようです。失敗しないということは挑戦していないことの裏返しだからです。

また人選する際にはポテンシャルを重視していたようです。

原田さんのいうポテンシャルは「学ぶ力」。

自らを客観視し新しいことや自分と違う考えを柔軟に吸収し整理できることが重要としています。

「これちょっと教えてくれないか」と言えるリーダーかどうかを見ていたようです。

原田さん自身もそのようなリーダーであったようです。

一例として、若手を元気づけるために定期的に対話会をしていたようですが、「やってみたら自分の方が若手から学ぶことが多い」と思えてしまうというものがあります。

キャリアアップについても挑戦が関係しており、「目の前の仕事に全力を尽くす」こと、そして期待以上の仕事をしていれば自然と良い方向に進むというキャリア観を示してくれています。

また、キャリアプランを考えずに目の前のことに集中するのは、燃え尽きを防ぐという効果があるようです。

まとめ

戦略に詰まったら現場に足を運ぶ

物事をストーリーで考える

目の前のことに全力を尽くす

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