集団・組織文化

【危機感】組織文化を変えるために必要なこと【トップの率先垂範】

求める組織文化に変えていくためには、どうしたらいいんだろうか。

人間が集団から共通の目的を持った「組織」となった時、その組織特有の雰囲気や物事の進め方が形成されてきます。

これを「組織文化」と呼びます。組織の性格のようなものです。

人間と同じように性格は安定的で、簡単に変わるものではありません。

しかし、環境が変わり組織として生き残りをかける時には、既存の性格から新しい性格に変わらなければいけない場面もあるかと思います。

今回は、この組織文化について、その特徴と変革に必要な要素を紹介します。

組織文化とは

組織文化は「メンバーが共有する組織のシステム」です。

その組織に属することで、当たり前に話し行動するようになることが、文化の表れと言えます。

組織文化の主要な特性

組織として大切にしていることが文化になっていきます。

組織が大切にすること・価値を認めることが文化を形成します。

そして一般的に組織が大切にする「主要な特性」が存在します。

以下の観点から組織を見ることで、その組織がどのような組織文化であるのかを記述することが可能になります。

組織文化を構成する主要な要素

リスク志向性
革新的にガンガン物事を進める組織であるか。

細部に対する注意
細かいことに気を使い慎重に意思決定する組織かどうか。

結果志向
プロセスよりも結果を重視する組織かどうか。

従業員重視
意思決定時に従業員への影響を配慮する組織かどうか

チーム重視
個人ではなくチームプレーがどれだけ体系化された組織か。

積極的な態度
積極的・競争的な態度がどの程度あるか組織か。

安定性
成長よりも現状維持を優先する組織かどうか

以上の組み合わせから、自分たちの組織の特徴を記述することができます。

そして「理想とする組織」の姿も記述できます。

そのギャップを見ることで、どの点に変革が必要であるか、より具体的に議論することが可能になります。

サブカルがある

組織には組織全体の文化と併せて、組織内の小集団が持つ組織も存在します。

これをサブカルチャーと呼びます。

例えば、全体的に安定的で積極性が低い組織文化であっても、営業部においては競争的な文化がある等です。

組織文化を変革するときには、このサブカルチャーについても理解しておく必要があります。

強さ・弱さがある

組織文化を構成する中心的な価値観が、強く支持・共有されているほど、強い組織文化といえます。

所属するメンバーが文化に従って考え行動するように、価値観が浸透している組織になります。

強い文化を持つ組織は団結力が強く、離職率が低下することが確認されています。

一方、変革する際には困難を伴うことになります。

組織運営に影響力を発揮する

組織文化は暗黙のルールです。

そして組織の序列作りに大きな影響を与えます。

誰が登用されるか、どのような行動が推奨されるか。

よって、文化が形成されることによって所属するメンバーの行動に一貫性が生まれます。

例えば「顧客第一」、「スピード主義」、「競争力」、「ダントツの商品力」等々、皆が優先する行動や考え方を整わせる影響力があります。

組織文化のはじまり

このように、メンバーの行動に影響力を与える組織文化ですが、いったいどこから形成されるのでしょうか。

一番の始まりは「創業者」です。

創業者のビジネスの仕方、人の扱い方、顧客への対応などが、その組織文化の礎を創っていきます。

起業当初の影響力も大きいですが、成功として語り継がれるエピソードも攻勢に対して意味を持ってきます。

また、組織が大きくなるにつれて、そこで行われる人的資源管理(評価・報酬・教育・採用)によって強化されていきます。

トップマネジメントの言動・行動から、上級役員が担当組織の基準を作り始めます。

メンバーはその基準に適応し、社会化が行われます。

その結果、その組織独自の言語やその定義が形成されて文化を形成します。

逆に考えると、現場で使われる言葉やその定義変わると、行動や組織が変わるとも考えられます。

これは「対話型組織開発」で行われる一つのプロセス・目標とも合致してきます。

組織変革に必要な要素

組織文化は組織の性格で安定しているものなので、変革することは基本的に難しいです。

組織運営をしている中で、以下の物を通じて常に維持強化しています。

  • 組織が掲げるミッションステートメント
  • オフィススペースの配置や設計
  • リーダーシップスタイル
  • 採用基準
  • 昇進基準
  • 実施されるイベント
  • 語り継がれるエピソード
  • 評価項目
  • 組織構造 等々

通常運営していれば変革は起こらないですが、人為的に働きかけ変革を促すことは可能です。

その際に以下の条件が整っていることが成功のキーと考えられています。

  1. このままじゃ組織は崩壊するという危機感がトップ・現場にある
  2. 上級役員を含めたリーダーシップを交代する
  3. 小さな組織であること
  4. 弱い文化であること

よって、変革のためには、組織にとって都合の悪い情報もメンバーに共有していくことが必要となります。

また、トップマネジメントは最も文化に影響力を与える存在であり、変革時は異なる価値観を持ち込むために交代することが考えられます。

なお、「大きな伝統ある(強い文化を持つ)大企業」は変化への対応が難しいといえます。

変革の際には新しい基準・価値観について

  • トップ、マネジメントが率先垂範
  • 必要な情報の周知・必要な訓練の実施
  • 新しい価値観に基づいた信賞必罰の実施

が求められます。

まとめ

組織文化は安定的で行動の一貫性をもたらす

変革時にはトップの交代と新しいトップの率先垂範が重要

併せて、組織運営・人事制度の基礎となる価値観も変更していく