特別プロジェクトチームが発足されたけど、成功するためにどうしたらいいんだろう?
組織目標達成のため、特別にチームが組まれて課題に取り組むことがあります。
今回は目標達成のために、チームワークを高める3つのポイントについて紹介します。
具体的には、「チームデザイン」、「チームビルディング」、「チームトレーニング」の3つです。
チームとは
チームとは、特定の目的で集団内に形成されるグループです。集団との違いは、チームは複数人が一緒に働くことで相乗効果が発生することを積極的に期待されている点です。
同じ高校に通う生徒たちは、各人が勉強するという目的を持って集まった「集団」ですが、その中で学園祭成功のために集う実行委員会は、相乗効果が期待される「チーム」と考えられます。
効果的なチームの基礎
チームの成果に最も影響力があると考えられている要素は以下の4つです。
- 十分な資源:組織から設備や人員等が適切に支援されているか
- 効果的リーダーシップ:適切に役割分担・プロセス設計がされているか
- 信頼関係:お互いに信頼しあえているか
- 評価と報酬システム:個人とチーム双方の達成責任が評価・認知されるか
本要素を担保していくために、以下3つの活動が必要になります。
チームデザイン
チームデザインは、チームワークが発揮されやすくするために、メンバー編成や課題設計を行うことをいいます。具体的には以下の点を整備します。
- チーム編成:誰を入れるか+どれくらいの人数で行うかを決める
- 成果目標設定:具体的なゴールを設定する
- 課題構造化:課題の進め方や役割分担を行う
- 組織的支援策構築:必要なリソースや他部門との連携を確保する
まずはチームの目標に合わせて、誰と何をどのようにするか計画するのがチームワークを高める第一歩となります。
チーム編成で求められる能力と性格
チームを成功に導くためには、3つの異なる能力が必要となります。
- 技術的な専門能力
- 問題解決・意思決定能力
- 対人能力
いずれの能力もバランスよく発揮されるような人選によって、チームの業績が最大化されます。
高い専門性、物事を構造化して決められる能力、コンフリクトを解消できる人間力、いずれが欠けても成果は期待できなくなってしまいます。
また、性格の観点からは、以下のような人が一人いるだけで、チーム全体の業績に悪影響を与える懸念があることが分かっています。チームデザインの際には注意が必要です。
- 人当たりが悪い
- 誠実さに欠ける
- 感情の起伏が激しい
チーム規模については不用意に大きくすると管理や調整が取れなくなり、チーム目標が達成されなくなります。また、個人の責任も不明瞭になり社会的手抜きが起こる可能性も高まります。
よって、一般的には10名未満のメンバーが最も効果的であると考えられています。
社会的手抜きについては、以下の記事をご確認ください。
チームの種類
チームデザインの結果として、チームにはいくつか一般的なタイプがあります。チームの目標や状況に合わせて選択していきます。
タイプ | 特徴 |
---|---|
問題解決型 | 課題発見や特定の問題を解決するために結成されるチーム |
自己管理型 | 作業の進め方やメンバー選定がメンバーに権限移譲されたチーム |
機能横断型 | 同じ階層で異なる組織から形成されるチーム |
バーチャル | 共通の目標に向けて直接会わずに遠隔で遂行するチーム |
問題解決型チームは、自由にアイデアが出てきますが、実行責任まで与えられない場合はアイデア出しに終始して、具体的な変化まで繋がらない懸念があります。
自己管理型チームは、ハマった時はメンバーの満足度が高く、目標達成が促進されます。一方目標に賛同が得られないと活動が進まない場合や、多様な文化で形成される際に収集がつかなくなり機能しない場合があります。
機能横断型チームは、異なった専門性から広い視野での課題取り組みが可能になり、質の高い目標達成が可能となると考えられています。一方、異なる組織の代表で形成されるため、信頼関係構築に時間がかかります。
バーチャルチームは、場所や時間に制限なく相乗効果を生める可能性がありますが、直接会わないために非言語コミュニケーションが伝わらないデメリットがあります。
チームビルディング
チームビルディングは、チームメンバー間の関係性を構築・向上させるために実施される施策で、4つの要点があります。
- 目標設定:個人とチームのの目標を皆で決める
- 対人関係構築:対話等で対立を解決することで相互信頼関係を築く
- 役割明確化:各メンバーの役割を話し合い相互理解を深める
- 問題解決:現在の問題点を発見し解決方法を検討する
具体的には対話やディスカッション、ロールプレイングなどを通じて進められます。
また、チームビルディングの効果は、凝集性・相互信頼関係の促進に繋がることが実証されています。
凝集性については、以下の記事をご確認ください。
チームトレーニング
チームトレーニングは、職務遂行時のチームワークを発揮するためのスキルを習得することで、成果を高める施策です。
チームワークに関して講義による知識のインプットを行い、具体的な行動を映像や演劇で示すことで、理解を深めます。
その上で、実際にロールプレイングしながら、実際の行動に繋げていきます。
対人関係スキルは、頭では重要性や望ましい行動が理解できても、実行するのは難しく、また日が経つにつれて忘れてしまいます。
研修を受けたその日は、「今日から変わる!」と本気で思いますが、忙しい現場に帰ると、どうしても二の次になります。
よって、効果を出すためには、定期的に演習を行う等、思い出す場が作れるかがキーになると思います。
また、トレーニングの利点は、技能習得を通じてメンバーに「自信」が生まれることにあります。
優れたチームは自信を持っていることが分かっており、自信を高める一つの手段としても、トレーニングは有効だと考えられます。
結論
チームの成功には、まず必要な能力を特定
あまりに性格に難がある人は避ける
チーム結成後は共通の目標とお互いの役割理解に尽力する
必要な対人スキルのトレーニングは自信をつける意味でも必要